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巻紙を始めてから1年を経て感じていることをまとめました


新規開拓営業において巻紙を始めてから1年が経ちました。

結論から言うと


顕著な効果はありません。


ただ、単なる便箋の手紙よりも受け取った相手の感動は大きい、との印象です。

また、これにより相手がこちらを配慮してくださる割合も大きくなるという実感はあります。


デメリットもあります。

巻紙における文字数の制限は大きな課題です。

自筆のお礼状、という観点から見ると以下のように比較できます。


ペン字と便箋でのお手紙であれば、30分したためて多くのことを伝えることができますが、

筆と巻紙となると、1時間半かけてもありきたりのことしか伝えることができません。

思いの丈を連ねると2時間3時間かかってしまいます。


この時間は顧客にカスタマイズしたプレゼン資料を1つ作れる時間です。


巻紙営業は、上客を開拓するための手法だということを痛感しています。

一段、いや、二段上を狙うための営業手法だと感じました。


こんなことを言ってごめんなさい。

経済的に余裕のある方や育ちのいい人ほど、巻紙営業を評価してくださいます。 

相手への配慮や想像力のある人、倫理意識が高く人とのつながりを大事にしている方にほど響きます。


好反応を示してくださった方は、慶応や地元一の私立お嬢様大学出身の方、20名超規模税理士法人代表の公認会計士など、

庶民とはちょっと違う一段上をいく方々です。

50名規模税理士法人の代表先生や、30名規模税理士法人の創業者の公認会計士先生、

そういった方とスムーズにお会いすることができました。今の私からみれば2段上のフィールドで戦っている方たちです。

帰り際に皆さんが「あなたの力になりたい」とおっしゃってくださったことは印象的でした。

逆に、たとえ20名規模の税理士法人の創業者でも、「ゴミ箱に捨てました」とおっしゃる方もいます。

分からない人には分からない。 私の2時間がゴミ箱へ(笑)。

ただ、それでいい。



巻紙は決して完璧な手法でありません。



ここでちゃんと書いておきたいことがあります。

巻紙は単なる新規開拓の手段ではない。その程度で終わらせてはいけない。

そう思います。


巻紙の習慣が自分に返ってくるのは随分と先で、相手がお客様になってからが勝負どころだろうと私は思っています。

私は、お客様にお会いするたびに筆で2メートルの巻紙をしたためるようにしてからも1年が経ちます。

5年の付き合いで、60通近くの巻紙がお客様の手元に残ることになります。

これを広げると、120メートルの書状になります。


もし、10年お付き合いが続いたとき、お客様の手元には何が残るだろうか。

この関係は一長一短では覆せないようになると思いますがいかがでしょう。

120通、長さ240メートルに及ぶ筆のお礼状を目の前に広げたとき、お客様からは

「こいつは俺を裏切らない」

と思ってもらえるのではないだろうか。

というかそんな長さのものをどこで広げるのか、場所がないですよね。 

その人の人生において、そこまでしてくれるサプライヤーは何人いるだろうか。



新規開拓、という観点に戻ります。

ZUUの冨田社長が書いておられるとおり、巻紙だけで満足していればそれは思考停止です。(新規開拓においては)


冒頭に書いたような、ターゲット向けにカスタマイズしたプレゼン資料を添える、ということが必要だと思います。

私の場合は、20名超規模税理士法人の創業者向けに限定した、彼らしか手にできない課題解決レポートを添えます。


どこにでもある情報ではなく、相手にとって必要な情報だけをシンプルにA4サイズにまとめて見やすく添えます。

会計事務所のM&A戦略や、M&A仲介の新規開拓レスポンス値など、そうそう転がっていない情報を載せることを心掛けます。

自分自身が付加価値の高い仕事とチャレンジをしていないとそのような情報は手元に入って来ませんよね?



新規開拓の観点から見ても、私たちは難しい仕事を狙い、挑戦を続けることが重要だ。



以下、1年経った時点で私が感じている、巻紙で気をつけるべき点をあげます。


・墨汁と良い筆で書くこと。
 ただ、出張先などで書くのなら筆ペンでも仕方ない。その際は書いている場所も添え書きする。

・字は雑に書かないこと。
 トメ、ハネをキッチリする。 雑に書くくらいなら送らないこと。

・巻紙は安物を使わない。
 良い紙であることは達筆であることよりも重要。

・郵送時は季節感のある記念切手を貼って送る。

・会った際のお礼状ならその日のうちにしたためること。
 やむを得ず帰りの電車の中で乱筆でもいい。そして集中郵便局に寄って帰ろう。消印の日付は見られている。

・時候の挨拶は必ず添える。
 ここがセンスの見せ所。省けと幻冬舎の見城社長がおっしゃっているが私はそうは思わない。
 10年後読み返されたときに恥ずかしくないものを書く。

・ご縁は分け隔てなく。出会ったすべての人に巻紙をしたためる。
 その代わり、無駄だと思うなら頼まれても会わないようにする。 (この賛否はそれぞれの営業スタイルによりますよね)
 その際はアポを断った上でペン字のお礼状を送る。 (関わるすべての人にお礼の手紙をしたためる)



まだ1年です。私はまだ300通ほどしかしたためていません。

2年後、巻紙が1000通を超えるとき、私の人生は大きく変わっていると思います。 それは確信しています。



最後に、きっかけを与えてくれた大手証券会社の新人営業マンの皆さんの取り組みには深甚なる尊敬の念を抱いています。

本当にすごいし、かなわないな。


 
  
 



by hukiagekeiri | 2016-11-21 18:34 | 仕事 | Comments(0)